Chapter-11
雑誌「Sleep」 26号 (2003) より
朝型人間・夜型人間は遺伝子で決まる
夜型人間なら誰でも「健康のために朝型の生活に切り替えましょう」と一度は聞いた事があると思いますが、その人が朝型か夜型かはたった一つの遺伝子によって生まれつき決められているらしい事がわかりました。
志願者に対して面接調査を行い、一人一人を朝型人間か夜型人間かのいずれかに分類した上で、全員のほほの内側の粘膜から細胞を採取し、その中に含まれている遺伝子を調べました。
その結果、両者では Per3 と呼ばれる遺伝子の種類が異なっている事が明らかとなりました。この遺伝子は生物の身体に昼と夜の違いをもたらす、すなわち、体内時計を司る視交叉上核と呼ばれる脳の内部の一部分で良く機能している事がすでにわかっていました。
どうやらこの遺伝子の長さが長い人は朝型で、夜型の人は短いようですが、もちろん、環境的側面や社会的即門も見逃す事は出来ません。
雑誌「Psychosomatic Medicine」2003年7月号より
前向きな姿勢は風邪を防ぐ
「病は気から」とはよく言われる言葉ですがどうやらそれは科学的にも正しいようです。
300人以上の志願者を対象にした研究結果は、前向きで穏やかな人は神経質で怒りっぽい人に比べて風邪の症状が出にくい事がわかりました。
面接によって300人の志願者を穏やかな性格の人とそうでない人に分類し、それぞれに風邪のウイルスの一種を注射したところ、前向きな感情を持つ人はウイルスを接種しても症状が出る確率が低い事がわかりました。
これはおそらく健康的な指向が健康的な生活習慣を促進する傾向があるためだと考えられますが、今後、健康と人の感情についての研究がますます進展するものと期待されます。
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