2011年4月2日 ケイ素は、元素周期表では炭素と同じ縦列、つまり、14 族に属しており、炭素の真下の第3 周期に位置します。第3 周期以降の分子量の大きな元素の不飽和結合は極めて不安定なため存在することができないとされてきました。けれど1981 年、アメリカのウィスコンシン大学の研究者らが、ケイ素原子間の二重結合を持つ化合物「ジシレン」の合成に成功しました。それ以来、さまざまな分子量の大きな高周期元素による不飽和結合の化合物の合成が試みられてきました。中でも、6 個のケイ素原子でできたヘキサシラベンゼンや4 個のケイ素原子でできたテトラシラシクロブタジエンは、化学結合の仕組みを探る基礎科学の面から大変注目される分子であるため、世界中の研究者がその合成に挑戦してきましたが、今回理化学研究所が成功するまで誰も成功していませんでした。 研究グループが合成した化合物の分子構造をX 線で解析したところ、テトラシラシクロブタジエンの形がひし形であることを発見しました。4
辺の長さは平均2.28オングストロームでほぼ等しく、一般的なケイ素の単結合の2.34オングストロームおよび、二重結合2.14オングストロームの長さの中間の値でした。また、ひし形の内角の和がちょうど360
度であることから、 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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