2011年4月30日 独立行政法人理化学研究所は播磨科学公園都市の大型放射光施設SPring-8に隣接して開発・整備を進めている、原子の世界を詳細に映し出す日本初のX 線自由電子レーザー(XFEL)施設を、計画どおりの80億電子ボルト(8GeV)で運転し計画通りのX 線の発生を観測することに成功しました。また、このXFEL 施設の愛称をSPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laserの頭文字を取って「SACLA(さくら)」と決定しました。今後は、レーザー増幅の出力飽和に向けた調整運転を続け、利用試験などを経て2011 年度末の供用開始を目指します。 大型放射光施設SPring-8 は、世界最高性能の放射光施設として、材料科学・生命科学・ 産業利用などで多数の成果を創出しています。SPring-8 の出す放射光は、幅広い波長領域を持ち、非常に明るいという特長を持っています。一方、レーザーは位相がそろっているため、干渉性が高く、特定の波長において放射光よりも高い輝度を持った光を得ることができるという特性があります。このように、放射光とレーザーとは異なる性質を持った相補的な光で、特にSPring-8 が完成した現在、X 線領域のレーザーが待望されていましたが、その実現は適当なレーザー媒質がないため非常に困難なものと考えられていました。 XFEL は、高エネルギーで高品質の電子ビームを、長尺のアンジュレータという磁石列が上下に並んだ装置に通してレーザーを生成します。 ◇ ◇ ◇ ヴォイニッチの科学書有料版の購読料からわずかですが、SACLA に寄付をさせていただきましたので下記の通りご報告いたします。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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