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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。 [バックナンバー] [この番組の担当は・・・] |
2007年7月28日 希少金属をレアメタルと呼びますが、産業上非常に有用性が高いものの大量に入手することが難しい金属のことで、入手が難しい理由としては埋蔵量が限られている、存在が地理的に偏っている、使用するに十分な純度で得ることが難しいなどが挙げられます。 レアメタルの用途は非常に多彩ですが、ここでは「特殊鋼」「電子材料」「精密加工機械」「環境・エネルギー」の4項目について紹介します。 特殊鋼・・・鋼の強度、耐熱性、耐腐食性、加工のしやすさの改善など、ベースとなる鉄鋼に様々な機能を付加させるた特殊鋼等の合金添加原料としてレアメタルが利用されているいます。 電子材料・・・半導体、リードフレーム、コネクター、透明電極、振動モーター、コンプレッサー、ハイブリッド自動車、小型燃料電池などに使用されます。 精密加工機械・・・小型情報通信機器製造のためのカッターやドリルなど、非常に高い精度が求められる部品を加工するための精密加工機械で、デジタルカメラ、携帯電話、ノートパソコンなどの製造には必須ですし、意外なところではボールペンのボール、ビールの缶、ビデオテープなどもこのような精度を持った工作機械によって製造されます。 環境・エネルギー・・・自動車排気ガスの浄化に使われる触媒、燃料電池、光触媒などの性能を高めるためにはレアメタルが必要ですし、二酸化炭素の吸収・固定を行うリチウムやチタン等。熱を電気に変換する熱電発電で使用されるコバルト、アンチモン等など、レアメタルは、環境・省エネルギー関連技術、将来の日本経済の発展を支える産業分野においても非常に重要です。 レアメタルに変わる素材の開発につながる例として鉄があります。自動車において現在国産の上級車にはハイテン材という鉄が使われています。これは鉄の構造を原子レベルで操作する、たとえば、鉄原子の一部をシリコンやマンガン原子と置き換えたり、求められる性質を実現するよう結晶の状態を制御したりすることによって軽くて強くて薄くて加工しやすい優れた鉄を作り出しています。このような技術開発によってチタンなどのレアメタルを使用することなく鉄でそれらレアメタルを超える素材性能を引き出しています。比較的容易に入手できる物質にこのような原子レベルでの操作を行うことによってレアメタルの代替材料が生み出される可能性もあります。 ※詳細資料はまぐまぐプレミアムで配布中です。 [他局の科学番組] □ディスカバリーチャンネル |