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科学コミュニケーター 中西貴之(メール
アシスタント BJ

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中西貴之/著

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 先週は
  総聴取数 ------ 名様
  内、RSS. iTunes からのアクセス ------ 名様

 先週も大勢の方に聴いていただきました。
 ありがとうございました。



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[バックナンバー]

Chapter-142 銀河の中心にある巨大ブラックホールの正体
Chapter-141 生命体の細胞内部の構造を保つ新たな仕組み
Chapter-140 サイエンスニュースフラッシュ 2006年12月
Chapter-139 「ひので」搭載可視光・磁場望遠鏡
Chapter-138 サイエンスニュースフラッシュ 2006年11月 
Chapter-137 宇宙日傘 
Chapter-136 ヴォイニッチの科学書流「クマムシ!?」 
Chapter-135 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-134 DNAの分解異常による関節リウマチ発症 
Chapter-133 脳の機能・太陽系外惑星 
Chapter-132 ノーベル物理学賞 
Chapter-131 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-130 RNAi 
Chapter-129 遺伝子組み換え低アレルギーネコ・コルクでできたような巨大惑星 
Chapter-128 飲酒が身体に与える影響 
Chapter-127 冥王星 
Chapter-126 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-125 科学技術振興機構(JST)が腹時計を発見 
Chapter-124 次世代超音速機技術の研究開発 
Chapter-123 災害現場で日本製ロボットが活躍する姿を早くみたい!! 
Chapter-122 アルツハイマー病に挑む 
Chapter-121 織り姫はぐりんぐりん 
Chapter-120 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-119 広い宇宙に地球人しか見あたらない50の理由の中の10の理由 
Chapter-118 次世代燃料 
Chapter-117 熱中症・脳は自分の身体に起きる時系列の変化を予測している 
Chaoter-116 局所銀河団・植物の体内時計 


>> 「Mowton(放送終了)」はこちら

[この番組の担当は・・・]

ナビゲーター 中西貴之 obio@c-radio.net
 1965年生まれ
 応用微生物学専攻
 現在化学メーカーの研究所勤務
 所属学会 日本質量分析学会 他
 日本科学技術ジャーナリスト会議会員

ナビゲーター BJ
 インターネット放送局くりらじ局長

Chapter-143 宇宙の暗黒物質の空間分布を初めて測定

今回の放送を聴く

2007年1月13日 (前回の放送次回の放送

 ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのマーガレット・ゲラーとジョン・ハクラらは、膨大な数の銀河の座標を三次元グラフ上にプロットする地道な作業によって宇宙の中ではたくさんの銀河が泡状の大規模構造を作って分布していることを1986年にらが発見しました。この構造は、宇宙初期に生じた密度の小さな揺らぎが少しずつ成長して、137億年余の時間をかけて進化したと考えられています。

 その際、目に見える物質の揺らぎだけで現在の宇宙の構造を作り出すには宇宙の年齢よりも多くの時間がかかる計算になることがわかり、今の技術では観測できいないダークマター(暗黒物質)があり、その密度の揺らぎの中で銀河が誕生したというアイデアが提唱されました。そこで、私たちが直接観測できないダークマターは、実際の宇宙の中では、どのように分布していおり、銀河の形成にどのように関わったのかを解明するためにCOSMOSプロジェクトが立案されました。COSMOSはCosmic Evolution Survey(宇宙進化サーベイ)の略でカリフォルニア工科大学のニック・スコビル博士を中心に世界各国から約70名の科学者が集まる国際的な共同研究です。

 COSMOSプロジェクトにはハッブル宇宙望遠鏡と日本のすばる望遠鏡が使用されました。ハッブル宇宙望遠鏡は2平方度(満月を並べると3×3=9個もすっぽり入ってしまう広さ)の視野の天域を高性能サーベイカメラで撮像観測を行い、観測した領域に含まれる約50万個の銀河の形態を詳細に調べ、「重力レンズ効果」と呼ばれる手法を用いて、視野内のダークマターの分布を調べました。ダークマターは巨大な質量を持っていると思われますので、ある場所に質量を持つ物質がより集中して分布していると、相対論的効果によって背景の天体の像にゆがみ、すなわち重力レンズ効果が生じます。生じた重力レンズ効果の程度によって、そこにどれだけの質量があるのかを推定できます。

 一方、国立天文台すばる望遠鏡を用いて、解析に用いられた約50万個の銀河の赤方偏移を測定し、距離を推定しました。この結果をハッブル宇宙望遠鏡の結果と合わせて解析すると、重力レンズ現象を引き起こしているダークマターの距離が推定できます。これにより、ダークマターの3次元的な空間分布を世界で始めて明らかにすることができ、ダークマターもまた、大規模構造を形成していることが、明らかになりました。 そして、これを、銀河の3次元分布と重ね合わせると、それらはほぼ一致しており、銀河はまさにダークマターの作る大規模構造の中に分布していることがわかりました。今回の観測で「ダークマターの作る大規模構造の中で、銀河が形成され、進化してきた」というシナリオが観測的に検証されたことになります。

 宇宙の暗黒物質(ダークマター)については、「最新科学おもしろ雑学帖」の21番にまとめてありますので、本をお持ちの方はあわせて読んでおいてください。 ニュートンプレス発行の「ニュートン別冊 宇宙創造と惑星の誕生」にもダークマターについて書かれています。

 重力レンズ効果については29番にまとめてあるのですが、本に書いたのは強い重力レンズ効果と呼ばれるより一般的な重力レンズ効果です。COSMOSで採用されたのは弱い重力レンズ効果と呼ばれるものです。それは銀河団などの顕著な構造がなくても、銀河が適当に集団化していると、その背景にある銀河から放射される電磁波は弱いながらも重力レンズ効果を受けます。その場合、強い重力レンズ効果の場合のように、銀河の姿がアーク状に見えることはありませんが、少しだけ変形して見えますs。これを「弱い重力レンズ効果」と呼びます。視野に見えているたくさんの銀河の形状を統計的に調べて、どの方向にどの程度の質量があるかを調べることができます。コスモスでは、この弱い重力レンズ効果を使って、ダークマターの空間分布を調べたことになります。



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