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Chapter-27
 バイオハザードは身近なところにある [聴くMP3をDL

Chapter-26
 御木本幸吉 [聴くMP3をDL

Chapter-25
 サイエンスニュースフラッシュ [聴くMP3をDL

Chapter-24
 多重人格に関する最新の研究成果 [聴くMP3をDL

Chapter-23
 放射線を用いた植物の品種改良 [聴くMP3をDL

Chapter-22
 火星探査車「スピリット」のテクノロジー [聴くMP3をDL

Chapter-21
 酒酔いのメカニズム [聴くMP3をDL

Chapter-20

 サラマンダーはパートナーの浮気を許さない [聴くMP3をDL

Chapter-19
 結核治療薬が高所恐怖症治療に有効 [聴くMP3をDL

Chapter-18
 新聞ニュース斜め読み [聴くMP3をDL

Chapter-17
 数を数える仕組みは男女で異なる [聴くMP3をDL

Chapter-16
 ニッポニアニッポン・トキ [聴くMP3をDL

Chapter-15
 数を数える仕組みは男女で異なる [聴くMP3をDL

Chapter-13
 あくびは親切な人にうつる [聴くMP3をDL

Chapter-12
 試験のストレスでニキビは悪化する [聴くMP3をDL

Chapter-11
 朝型人間・夜型人間は遺伝子で決まる [聴くMP3をDL] 

Chapter-10
 ウィルヘルム・レントゲンがX線を発見 [聴くMP3をDL] 

Chapter-9
 Kids:夏休みの自由研究はブラインシュリンプはいかが? [聴くMP3をDL] 

Chapter-8
 クローン人間は作れない [聴くMP3をDL] 

Chapter-7 男性の脇の下のにおいで女性はリラックスする? [聴くMP3をDL]  

Chapter-27
2004年3月6日

バイオハザードは身近なところにある

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 汚れたシャワールームのカーテンは思いも寄らぬトラブルのもとだという研究成果を米国のコロラド大学ボールダー校の微生物学者が発表しました。この研究者によると、シャワールームのカーテンは、いやな感染症を起こす可能性のある細菌でいっぱいなのだそうです。

 この研究者は、人間の周囲に住んでいる微生物の世界について研究をしているが、自宅のシャワールームのカーテンにこびりついている汚れを顕微鏡で観察したところ、その汚れは細菌でいっぱいであることに気が付きました。

 この細菌のDNAを調べたところ、細菌の約80%はスフィンゴモナス(Sphingomonas)とメチロバクテリウム(Methylobacterium )という2グループのどちらかに属していることが分かりました。どちらのグループにも日和見感染する細菌が含まれており、傷口に感染したり、免疫系が抑えられている人、高齢者などは病気になる恐れがあります。ただし、健常人であればほとんどの場合何も危険はありません。また、この細菌は人間の身体から出るアカや咳などに含まれる有機物を栄養にして増殖しているらしいこともわかりました。

番組内で取り上げた参考書籍
「日本人の清潔がアブナイ」 
藤田紘一郎 小学館文庫 2003年7月 600円

 清潔大国ニッポン 日本社会がひたすら「無菌化」を推し進めてきた結果、アレルギー性疾患が増え、エイズをはじめとする様々な進行感染症の出現や結核などの再興感染症の増加をもたらした。つまり、「無菌化」人間と微生物の間の共生のバランスを壊してしまい、日本人に免疫力の低下が起きています。

 かつて、1960年代のアメリカで似たような発想に基づく「ゴキブリ撲滅運動」が起き、住環境を徹底的に無菌化する活動が盛んになったことがありますがその結果はポリオ(小児麻痺)の大流行という悲惨なものでした。

 もちろん今の日本においてもゴキブリやハエを目の敵にする人がほとんどですが、清潔大国ニッポンでは、そもそも、ゴキブリやハエが運ぶ病原菌そのものがいなくなって、単なる動きの速い黒い生き物、単なる空を飛ぶ昆虫になってしまっています。

 たとえばウォシュレット。肛門のまわりには共生菌がいて、糞便中の雑菌が感染しないように守っているのだがウォシュレットの普及で肛門のまわりがきれいになってしまい、ちょっとした雑菌にも感染して痛みを伴うようになってしまっています。

 日本の戦後の清潔志向は年々度合いが強まり、細菌では人間が生きていくために必要な「共生菌」まで排除しはじめました。その「バイ菌の排除」という発想が「異物の排除」に発展してしまったのではないかと筆者は締めくくっています。