このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。
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Chapter-22 マーズ・エクスプロレーション・ローバは、アメリカがマーズ・パスファインダ以来、7年ぶりに送り込む火星探査車(ローバ)です。「スピリット」「オポチュニティ」と名付けられた2台のローバが、火星表面の地質構造や鉱物組成などを探ります。 ローバーは三軸六輪車で前後の二軸で操舵します。ローバーには長さ1.4メートルのロボットアームが装備されており、この先端に4つの観測機器が装着されています。観測対象にある程度ローバーで近づいた後に、ロボットアームを伸ばし観測を行います。 ローバーの移動速度は秒速5センチメートルでとてもゆっくりに思われますが、前回の火星探査車「ソジャーナ」に比べると5倍もスピードアップしています。 地球からローバーに指令を送っても、それが届くのは送信から20分後ですので、地上からローバーを「運転」することはできません。ローバーに目的を指示した後は、ローバーが自立的に安全、確実なルートを選んで走行しなければなりませんが、そのための判断や分析作業、地球との更新などの作業を行うためにローバーにはコンピューターが搭載されています。 このコンピューターは地球上のPCとほぼ同じスペックで、128MBのメモリを搭載した32ビットCPUのマシンです。しかし、信頼性の点からハードディスクは搭載されておらず、プログラムなどはすべてフラッシュメモリに格納されています。フラッシュメモリには容量の制限がありますのが、ローバーの使命は多岐にわたっているため必要なプログラムをすべて保存することは出来ません。そのため、ミッションの要所要所で地球からプログラムをダウンロードして実行する機能も搭載されており、常に最新のソフトウエアで制御・観測を行うことが出来ます。 |