2007年8月18日
Chapter-170 地震観測・地震予知
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日本では1891年に濃尾地震(のうび)、1923年に関東地震、1995年に兵庫県南部地震とマグニチュード7を超える大地震が人口密集地域に頻繁に発生しています。マグニチュード6クラスまで含めると、これまで地震の起きにくい地域と言われていた福岡市を始め日本各地で発生しています。そのため、古くから日本の地震研究は地震の予知をすることを目的として続けられてきました。
地震は地下の岩盤が歪められることによって蓄えられたエネルギーが放出されることによって発生するとされています。日本において最も地震の原因として多いのがプレートの沈み込みによるものです。地球の表面はプレートと呼ばれるマントルの上に浮かぶ板のようなもので覆われていてます。地面の下のマントルは流動していて熱いマントルは上昇し、冷たいマントルは下降します。その上に浮かんでいるプレートはマントルの流れに乗って移動します。プレートは海嶺と呼ばれる太平洋でいえばハワイ周辺のような海底火山が噴き出している場所で作られ、日本近海のような海溝と呼ばれる非常に深い海に沈んでいきます。
日本近海に限った話をすれば、太平洋の真ん中あたりで帯状に作られた太平洋プレートと名付けられたプレートはハワイ諸島を乗せたまま日本にどんどん近づいてきます。またフィリピン海プレートと名付けられたプレートも日本近海で沈んでいます。けれど、日本列島はユーラシアプレートと北アメリカプレートと呼ばれる古くて安定したプレートに乗っています。これら4つのプレートが日本近海で衝突して、太平洋から来たプレートが日本の下に潜り込んでいます。潜り込むときに太平洋側のプレートは大陸側のプレートを引きずり込もうとしますが、大陸側の静かなプレートは引っ張られるにも限界があるわけです。それが限界に達したときに大陸側のプレートが元の状態に急激に戻るため、この時プレート境界における地震が発生します。
地震に関しては日本中に観測機器が設置されていますが、地震を観測する装置には大きく分けて3つの種類があります。一つは全国に1700カ所配置された地震計で、発生した地震の強度などを測定するものです。二つめの観測機器はGPSを用いて地面の移動を観測するもので100キロメートル離れた地点の距離の変動をミリメートル単位で測定することができます。GPS観測地点は全国に1300カ所設置されています。三つ目は全国700カ所に設置された加速度計です。これは地殻の変動を連続して観測する装置です。現在はこれらの測定結果を数式化し、コンピューターを使ったシミュレーションで地震を予測する研究が精力的に行われています。
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