2007年8月25日
Chapter-171 日本の十大発明家の中の五大発明家
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日本の工業所有権制度は、1985年に創設以来百周年を迎えましたが、特許庁はそれを記念して日本の歴史的な発明者の中から永久にその功績をたたえるのにふさわしい研究者として、以下の方々を選定しました。
豊田佐吉 (木製人力織機・自動織機)
19世紀頃の日本において機織りは重要な産業でしたが、機械のほとんどが外国製であることを知り国産機械の研究開発に取り組みました。その結果、日本初の動力で織る織機の開発に成功しました。
御木本幸吉 (養殖真珠)
1888年に真珠貝の養殖を開始しましたが、真珠は人工養殖できる可能性があることを知ると、真珠養殖の研究に取り組み、4年間の研究の末、養殖したアコヤ貝を用いて養殖真珠を造り出すことに成功しました。
高峰譲吉 (アドレナリン)
消化剤であるジアスターゼの製造方法を発明しました。さらにアドレナリンを医薬品として使用するために、いくつかの独創的な方法で純粋なアドレナリンを得る方法を発明し、この発明は、ホルモンの結晶化に成功した最初の例となりました。
池田菊苗 (グルタミン酸ソーダ)
東京帝国大学教授として、専門の物理化学の研究を行うとともに日本人の生活の改善と社会の進歩に直結するような応用研究に取り組んでいた結果、昆布のうまみ成分の解明に取り組み、うまみの成分がグルタミン酸ソーダであることを突き止めました。
鈴木梅太郎 (ビタミンB1)
19世紀末の日本では陸海軍の兵士に脚気患者が多く問題となっていました。梅太郎は、米糠に脚気を治癒する成分が含まれていることを発見し「アベリ酸」と名付けました。これは現在のビタミンB1で、世界で最初に純粋な物質として取り出されたビタミンです。
杉本京太 (邦文タイプライター)
19世紀末、欧米諸国においては既にタイプライターが使用されていましたが、日本では実用的な和文タイプライターの開発はされてなかったためこの研究に取り組み、様々なアイディアを盛り込んだ和文タイプライターを開発しました。欧米文字に比べて複雑で難しい漢字を使う日本においては、和文タイプライターは欧米以上の恩恵を受けることになりました。
本多光太郎 (KS鋼)
第一次世界大戦勃発による磁石鋼の輪入途絶でが途絶したため、日本はこれを自給する必要に迫られました。光太郎は強力な磁石鋼の開発に取り組み、永久磁石鋼としては最強の抗磁力を有するKS鋼を発明しました。
八木 秀次 (八木アンテナ)
将来短波あるいは超短波による通信が主力となることを予見し、その研究と指導に意を注ぎ、自らまとめた理論に基づき、八木アンテナの基本となる「電波指向方式」を発明しました。現在使用されている、超短波・極超短波のアンテナのほとんどはこの八木方式となっています。
丹羽 保次郎 (写真電送方式)
日本最初の有線写真電送装置を発明しました。この日本最初の写真電送装置は取扱いが簡単なうえ、画質も良くニュース写真の電送などに用いられ、優れた成績を上げました。さらに、無線写真電送の研究にも取り組み、東京−伊東間で日本初の長距離無線写真電送の実験に成功しました。
三島 徳七 (MK磁石鋼)
磁石鋼の磁石の理論的解明を進めている際、無磁性のニッケル鋼にアルミニウムを添加すると磁性を回復することを発見しました。この研究を進め、それまでの磁石鋼よりも遙かに優れた性質を持つMK磁石鋼を発明しました。MK磁石鋼は、それまでの磁石に比べはるかに廉価でもあり、発電機、通信機、ラジオ等のスピーカーなど民生機器及び産業機器用等の磁石として広く使われました。
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