Chapter-68 小ネタ集
2005年5月28日
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■究極の再生治療・患者自身の細胞から ES細胞を作り出す
韓国ソウル大学とアメリカピッツバーグ大学の研究チームが世界で始めて患者自身の細胞から ES細胞を作り出すことに成功しました。
身体を構成する様々な細胞に分化することの出来る ES細胞を使って機能を失った臓器などを再生する治療において、最大のネックとなっているのは移植した細胞が患者にとって「異物」であると認識され、元々存在している生体の異物排除機能によって排除され治療がうまくいかないことでした。
今回研究者らは ES細胞を作る際の細胞核に患者の皮膚細胞から取り出した細胞核を使用することに成功しました。このようにして作成された ES細胞は患者の異物排除機構から見ると自分自身であると認識され排除機能が働きませんので再生治療の成功率が高まることが期待されます。
■地震の発生には月の引力も関与していた
日本の防災科学技術研究所の研究チームは1977年から2000年までの間に地下40キロメートル以内を震源とする地震について月の引力と地震発生の関係を調査しました。
その結果、地震を引き起こす力の 1/1000 程度の寄与率で月の引力が地震の発生に関与していることがわかりました。
■シリーズ今週の人工衛星プチ
宇宙ステーション補給機 HTV
HTV は H-II Transfer Vehicle の略で 1997年度から JAXA によって研究されている宇宙輸送船です。HTV
は HII-A ロケットの先端に取り付けられた状態で打ち上げられ最高で6トンの貨物を国際宇宙ステーションに届ける能力を持っています。
帰路は宇宙ステーションで不要になった物資や終了した試験のための実験機器を積み込んで大気圏に突入し焼却処分されます。HTV の大きさは直径4メートル、全長10メートル程度で観光バスが収納できる大きさです。
当初は友人の飛行は想定されていませんが、HTV で将来の有人飛行に向けた情報収集も行われます。
■ガラパゴス諸島で火山が噴火
■魚のエラは副甲状腺に進化した
魚類のエラは陸上生物においては進化の過程で退化して失われたと思われてきましたが、人間の副甲状腺は魚類のエラが進化したものであることがわかりました。
副甲状腺は体内のカルシウム濃度の蝶背に関与していますが、エラも魚類の体内のカルシウムが不足すると水中から摂取する機能を持っています。人で副甲状腺を作るために必要な
Gcm2 という遺伝子に着目し副甲状腺のない魚類においてこの遺伝子がどのように存在しているかを調べたところ、魚類ではエラで Gcm2 が機能していました。また、魚類の
Gcm2 遺伝子の機能を停止させるとエラの元になる細胞が作られませんでした。
■日光に当たらないと消化器ガンのリスクが高まる
九州大学の研究チームの成果によると日光に当たらないと消化器ガンが増える傾向があることがわかりました。日光に当たるとビタミンD が体内で作られますが。このビタミンD
が消化器ガンの発生に関与しているようです。
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