インターネット科学情報番組
このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。 [今週の Openig Talk] ■マウスゲノムの70%は役目を持っていた・・・ [最近の放送]>>バックナンバー [この番組の担当は・・・] |
Chapter-77 人類の進化について 人類はチンパンジーやゴリラと共通の祖先から進化しました。共通の祖先からゴリラの祖先が別の進化をたどり始めたのが七〇〇万年前前後です。それからわずか一〇〇万年後の五〇〇〜六〇〇万年前に人類とチンパンジーが分岐しました。DNAの比較研究からもゴリラよりもチンパンジーの方がより人類に近いことが確認されています。 その後、人類は猿人、原人、新人と進化を続けましたが、チンパンジーと分岐した直後の最古の人類はオルロリン属と呼ばれています。膝と腰を伸ばす二足歩行を始めたのは五〇〇万年前のラミダス猿人、もしくは四〇〇万年前のアナム猿人です。その後三〇〇万年程度は特に目立った進化上の分岐を示す化石は見つかっていません。その後、一〇〇万年前〜三〇〇万年前にかけて猿人は様々な分岐を経験します。現在化石として見つかっているのは一般にアウストラロピテクスとひとまとめに語られるアフリカヌス猿人、エチオピクス猿人とその進化形であるボイセイ猿人とロブストス猿人です。これらはいずれも一〇〇万年前までに絶滅したものと思われます。 猿人から原人への進化は二〇〇万年前頃で、歯やアゴが小さく、大きな脳を持つことで特徴づけられます。人類が進化上最後の分岐を経験したのが二〇万年前で、私たちとは別の道を歩み始めたネアンデルタール人は石器の作成、火の使用、仲間の埋葬などの高度な知能や文化を持っていたものの約三万年前に絶滅しました。ネアンデルタール人が現代型ホモサピエンスの祖先であると考えられていたこともありましたが、現在はミトコンドリアDNA鑑定から完全に否定されています。 |