Chapter-83
サイエンスニュースフラッシュ 2005年10月
2005年10月29日
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[サイエンスニュースフラッシュ 2005年10月]
半草半獣の新種微生物発見
和名で「ハテナ」と名付けられた体長100分の3ミリほどの砂浜に住む微生物はある種の藻類を食べるとそれを消化せずに、その葉緑素を使って光合成を始めることがわかりました。また、この微生物が分裂するときには葉緑素は片方の細胞にのみ受け継がれ、分裂後の片方は微生物、片方は植物のような人生を送っているようです。
子供にならないクローン胚を作ることに成功
8細胞まで分裂したマウスの受精卵から取り出した1つの細胞は ES細胞になります。残りの7つの細胞を子宮に移植すると胎児に成長し出生することができます。この点が倫理上
ES細胞の研究の足かせとなっていました。
このたび、Cdx2 と呼ばれる遺伝子を操作することによって胎盤を作る能力を失わせ子供にならないクローン胚の元になる体細胞を作ることに成功しました。
暴力的ゲームは人間の脳を好戦的にする
fMRI で脳の活動をモニターしながら攻撃的なゲームを行った結果、脳内で攻撃的思考が活性化していることがわかりました。これまで感覚的に述べられていた攻撃的ゲームが子供の心理に与える悪影響が科学的に示されたことになります。
人工タンパク質
これまでの蛋白工学は、すでに存在するタンパク質を改変することが中心でしたが、狙ったとおりの立体構造を持つ人工タンパク質の完全設計に日本の研究チームが成功しました。これまではアミノ酸配列を再現することはできても、高次の立体構造を狙い通りに作ることができず人工蛋白の合成は成功していませんでしたが、今回の研究では立体構造も含めて狙い通りの蛋白を作ることに成功しましたので、今後は有害物質を分解する酵素などこれまでにない機能を持つ蛋白を作ることができるかもしれません。
マンモスを絶滅に追いやったのは超新星爆発だった
マンモスの絶滅理由としてこれまで気候変動、伝染病、人間による狩猟などが上げられていましたが、超新星爆発が絶滅の原因だったという新たな説が誕生しました。超新星爆発によって吹き飛んだ直径10キロメートルほどの星の残骸が地球に衝突したのだそうです。
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