2008年1月12日
Chapter-187 サイエンスニュースフラッシュ 2007年12月
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ひずみ集中帯
地球の表面を覆うプレートはマントルの対流によって移動しています。海のプレートが陸のプレートに衝突している場所ではひずみが集中します。現在の一般的な説では、大規模地震はこのひずみエネルギーが一挙に放出されることによって起きるとされています。16世紀にまでさかのぼった震源調査で半数以上がひずみ集中帯から離れた場所で地震が発生していることがわかりました。(東京大学プレスリリース)
地球温暖化
火力発電所などから排出される二酸化炭素を地中に埋めこむ研究が新潟県長岡市で2003年7月からスタートし、2009年3月終了を目標に実証試験を実施中です。現在は、すでに二酸化炭素の注入は終わっており、その後の状況を観察する期間に入っています。関連の話題は「最新科学おもしろ雑学帖」196ページを参照してください。(NEDOプレスリリース)
就寝前のメールチェック
コンピューターなど電子機器からの光が、睡眠を誘うホルモン「メラトニン」の分泌を妨げ、脳が眠りに向かうための準備を止めてしまうため、就寝前にメールをチェックするとエスプレッソ2杯分と同じくらいの不眠効果があるかもしれないとのことです。(読売新聞)
脊髄損傷からの回復と脳機能
脊髄損傷によって指先が動かなくなったニホンザルに指先でつまむリハビリテーション訓練を繰り返すことにより1〜3ヵ月後には指先が元通りに動き出すが、回復にともなって回復にかかわる脳の部位が変化していくことが突き止められました。この発見は、PET(陽電子断層撮影装置)による脳機能イメージング法などを用いて、指先を動かすために本来働いている脳の部位とは別の部位の活動が高まり失われた機能が補われるメカニズムを世界ではじめて明らかにしたものです。(自然科学研究機構生理学研究所)
地球の月は珍しいか
月は原始の地球に火星ほどの大きさの天体が衝突して形成されたと考えられています。米フロリダ大学の研究チームは、同様の衝突で月が形成されていれるならば恒星の周辺にちりが観測されるはずであると考え恒星400個を観測しました。その結果、400個のうちたった1個の恒星でしか衝突を物語ると思われるちりを発見できませんでした。その他の情報もあわせ、月のような天体が形成される確率は、せいぜい5パーセントから10パーセントであるという結論を出したということです。(アストロアーツ)
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