2008年1月26日 地球が温暖化するか、寒冷化するかは、次に挙げる三つの要因によって決まります。 すすは,炭素を主成分とする燃料を高温で不完全燃焼する際に発生します。発生源として主なものはディーゼルエンジンの排気、石炭の燃焼、森林火災などがありますが、約40 %がアジアから排出されていて、中でも中国は世界最大の発生国です。 冬に黒い服を着て太陽の光に当たると、白い服よりもより暖かく感じることからわかるように、ススは太陽からのエネルギーを効率よく吸収し、大気を暖めます。ススの作用は地球の平均気温を上昇させるだけではなく、局所的な気候に影響を与えることもあります。ススは大気中の比較的高いところに存在していますが、このような上空にあるススが太陽によって加熱されると本来冷たいはずの上空大気が暖められますので、大気の垂直方向の温度差が小さくなり、上昇気流が弱まります。その結果、雲のでき方や雨の降り方に影響が出ます。 またススは地表においても気候の変動に影響を及ぼします。つまり、氷河や,北極・南極の氷に覆われた大地などの地表の白い地域に沈着すると、その部分の太陽エネルギー吸収が高まり、雪や氷の表面の加熱をもたらし、氷河や雪の融解を促進するということです。さらに、ひとたびススが地表の氷に沈着すると、雪解けがさらに促進され、太陽エネルギー吸収の上昇、氷の温度の上昇、そして、さらなる雪解けといった、暴走状態に陥る可能性が知られています。 参考資料:日本地球惑星科学連合ニュースレター2007年No.4
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