2008年2月9日 東北大学、東京大、京都大、九州大などの約100人からなる研究者グループが、宇宙空間から太陽系の惑星を観測する望遠鏡衛星の開発に乗り出すと発表しました。太陽系惑星探査用宇宙望遠鏡は世界初の試みで、2012年初めの打ち上げを目指します。計画では衛星は縦、横、高さが2メートルほど、重さ300キロ程度で、高度約500キロの軌道を回ることになっています。口径30センチと20センチの望遠鏡を搭載する予定で、水星、金星、火星、木星、土星を観測し、大気や気象などを調べます。 レアメタル問題その後 家電や電子機器にはレアメタルと呼ばれる希少金属が使用されています。それらの電子回路を製造するために必要な各種金属は産出量が少なく貴重であるため、現在世界各国で確保競争が起きており、日本はアメリカ、中国などにリードを許しているのが現状です。茨城県つくば市の物質・材料研究機構の調査によると、家電や電子機器類に含まれる金や銀などの金属資源の国内総量は計算上、各国の天然資源量を上回る世界最大の規模に匹敵することがわかりました。こうした金属資源は「都市鉱山」と呼ばれています。 時間が減速している:「宇宙膨張は加速」を疑う新説 はるかかなたの天体が、近くにある星よりも高速に地球から遠ざかっているように見えます。その理由はビッグバン後の宇宙の膨張速度が時間の経過とともに加速しているからだと推測しています。ところが、スペイン・バスク大学とサラマンカ大学の科学者グループは、遠くにある天体がすごいスピードで遠ざかっているのは、宇宙における時間の経過が減速しているのだとの新説を発表しました。つまり、望遠鏡ではるか遠くの銀河を観測するとき、本質的には時間の経過がいまよりもっと速かった時点を遡って見ているために、これらの銀河は加速しているように見えるだけなのだというのです。 マウスiPS細胞で角膜再生へ 東北大教授ら 東北大のチームが、マウスの体細胞から作られた万能細胞(iPS細胞)を使い、角膜に変化することのできる幹細胞を作り出すことに成功しました。人間のiPS細胞を使った実験もすでに計画しており、現在、治療用に用いられている角膜移植などと組み合わせることで拒絶反応のない再生治療の実現をめざすということです DNAを人工的に完全合成 ヒトゲノムを解読した民間企業を率いたクレイグ・ベンター博士が細菌のDNAを有機合成で作ることに成功したと発表しました。できたのはゲノムの合成までで、細菌そのものをつくったわけではないようですが、今回の成功で、望み通りのDNAを持つ「人工生命」をつくり出す技術に一歩近づいたといえます。
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