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2009年9月12日
Chapter-255 地球温暖化とちょこっと発電

地球温暖化についておさらい

 地球温暖化とは温室効果ガスによる温室効果によって地球の温度が上昇し、地球環境にさまざまな変化が起きることです。温室効果ガスの主なものは、水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フルオロカーボンなどです。大気中に微量に含まれるこれらの気体は、太陽によって暖められた地球が宇宙空間へ熱を逃がそうとする働きを妨害します。この性質を温室効果といいます。温室効果によって地球に熱がこもり、平均気温が徐々に上昇します。

 地球温暖化は,影響が広い範囲にわたること、二酸化炭素放出削減等の対応策がエネルギー使用制限に大きく関連し、経済成長に制約を与えるおそれのあることなどから、地球環境問題の中でも最も重要な国際的課題となっています。

 温暖化対策に最も有効な方法は何かといえば温室効果ガス発生の直接の原因となる化石燃料や木材、家畜の糞などを燃やしてエネルギー源とすることをやめ、元を絶つことです。化石燃料に変わるエネルギー源として利用が推進されているのが水力、風力、太陽光などの自然エネルギーです。これらのことをリニューアブルエネルギー・再生可能エネルギーと呼びます。再生可能エネルギーは、太陽熱、風力、バイオマスなど地球の自然環境のなかで繰返し作り出され、リサイクルが可能か、または無尽蔵な供給が可能なエネルギーのことです。

ちょこっと発電

 ちょこっと発電とは電力の地産地消、つまり、身近なところでちょこっと発電して、その周辺で消費してしまおうという発想です。ちょこっと発電です。太陽電池の付いた道路標識、太陽電池の付いたバス停などは街の至る所で目にするようになりましたし、最近、太陽電池をつけた携帯電話が発売されましたが、これなども電気の地産地消を実用化したちょこっと発電の代表のようなものです。

 近い将来の実用化を目指した取り組みの一例として駅の改札を通過する人からエネルギーを取り出そうという研究があります。2006年にJR東日本が東京駅で行った実験は改札機通路の床に発電装置を組み込み、人が通過する際の振動で発電し、将来的には自動改札機をその電力で動かしてしまおうというものでした。この床発電の仕組みは、スピーカーに電気を通すとスピーカーが振動して音が出る仕組みを逆に利用し、振動から電気を作り出す圧電素子と呼ばれるものです。


ちょきりこきりヴォイニッチ
今日使える科学の小ネタです。

▼海底のレアメタルを探す
 ハイテク製品の生産に必須のレアメタルを遠隔操作の潜水ロボットで探すプロジェクトがスタートしました。2011年の本格運用を目指します。開発するのは海洋研究開発機構で磁力計や重力計、音波探査装置などを使ってレアメタルを探し出し、水深4500メートルまで潜れる遠隔操作ロボットで有用鉱物を含む試料を採取する計画です。

▼しっぽハンマーの使い方
 全身が装甲で覆われた恐竜アンキロサウルスはしっぽの先端がハンマーのよう大きく固くなっています。化石をCTスキャンした調査によってアンキロサウルスのハンマーは水平方向に自由に振り回すことができ、他の恐竜の骨を砕くに必要な力の数倍の威力を持っていたらしいことがわかりました。

▼新型インフルエンザの起源
 遺伝子解析の結果から新型インフルエンザウイルスの起源が分かってきました。今回の新型ウイルスは2種類の豚インフルエンザウイルスが合わさってできたものです。一つは北米のブタの間で感染していたウイルス、もうひとつはユーラシア大陸のブタのウイルスが由来です。その結果、アメリカ由来の宿主細胞にとりつく能力と、ユーラシア由来のとりついた細胞からウイルスを放出する能力が合体して新型インフルエンザとなっています。


バックナンバー
   
Chapter-254 水素から電子を取り出す新しい触媒の発見 
Chapter-253 水にも構造がある 
Chapter-252 食べものと体内時計の関係
Chapter-251 金縛りについて
Chapter-250 国際宇宙ステーション日本実験施設きぼう  
Chapter-249 脳神経科学の話題  
特別番組 山口県立山口図書館 ちょこっとサイエンス講座「宇宙人はなぜそのヘンを歩いていないのか?」 
Chapter-248 サリドマイドの生化学 
Chapter-247 太陽系外惑星探査の歴史と現状 
Chapter-246 氷核活性細菌
Chapter-245 一卵性双生児の最新科学 
Chapter-244 ダークマターとダークエナジー
Chapter-243 フローティングタッチディスプレイ
Chapter-242 トランスジェニックコモンマーモセット
Chapter-241 食感とおいしさの関係
Chapter-240 獲得形質の遺伝に似た現象
Chapter-239 マルチバースと人間原理
Chapter-238 マルチバース/ハッブル宇宙望遠鏡修理中
Chapter-237 近頃の恐竜の話題  
Chapter-236 レールガン実用化の歴史 
Chapter-235 ゴッホの絵画に隠されていた黒猫の発見
Chapter-234 バージェス頁岩発見から100年
Chapter-233 宇宙に吠える巨大モンスター
Chapter-232 産総研が開発したHRPシリーズの最新型ロボット
Chapter-231 他人の不幸は蜜の味
Chapter-230 最近の宇宙の話題
Chapter-229 ジョージ・ガモフの「不思議の国のトムキンス」 
Chapter-228 ヒラメとカレイの目の位置を決定する仕組み
Chapter-227 シャドーバイオスフィア 
Chapter-226 ジェットコースターの楽しみ方
Chapter-225 再び注目される超伝導
Chapter-224 ピンチになると活躍する遺伝子 
Chapter-223 アルツハイマー病に関する新たな発見

>> 「Mowton(放送終了)」はこちら

Science-Podcast.jp 制作






科学コミュニケーター 中西貴之(メール
アシスタント BJ

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[この番組の担当は・・・]

ナビゲーター 中西貴之 obio@c-radio.net
 1965年生まれ
 島生まれの島育ち
 応用微生物学専攻
 現在化学メーカーの研究所勤務
 所属学会 日本質量分析学会 他
 日本科学技術ジャーナリスト会議会員

ナビゲーター BJ
 インターネット放送局くりらじ局長

 


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