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2009年5月23日
Chapter-240 獲得形質の遺伝に似た現象
獲得形質とは生物が生まれた後に、外部環境からの影響を受けて得た体の構造や性質のことです。多くの場合、環境に適応するための体の構造の変化を指しますが、広くは学習による知識なども含められます。
現在の最新の知識ではそのような、誕生後の身体の変化は子孫には遺伝しないとされています。というのも、親の情報を子へ伝える唯一の方法は遺伝子を用いた身体の設計図の引き継ぎですが、遺伝子に記録されているのはタンパク質の設計図のみで、知識や経験は記録されていません。また、体に生じた変化を精子や卵子の遺伝子に書き込む方法を生物は持っていないことが遺伝子レベルの解析で明らかになっており、獲得形質の遺伝はないと考えるのが一般的です。
ところが、学術雑誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスでアメリカ・タフツ大学医学系大学院の研究チームが発表したところによると、マウスを使って行った研究成果では母親の経験の違いが、その子どもの記憶力の違いとして現れることがあるというのです。ただし、この時、遺伝子の変化を伴わないため獲得形質の遺伝とは異なる現象ですが、親の情報を子に引き継ぐメカニズムとして最近注目されています。
これは、母親マウスが受けた環境からの影響によってホルモンが変化し、それが子宮内の胎児に作用し、エピジェネティックなDNAの変化と呼ばれる現象が胎児の中で起きているようなのです。エピジェネティックなDNAの変化は遺伝子の暗号には何も変化は起こさないけれど、世代を超えて継承される変化としてすでに広く知られ、遺伝に関する研究領域では最もホットな分野の一つとして、精力的な研究が行われている最中です
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