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2009年5月18日
Chapter-239 マルチバースと人間原理
マルチバースとは物理学的研究の成果に基づいて考えると、宇宙は無限の個数存在するはず、そういう考え方に基づく宇宙観を表現する言葉です。
私達の宇宙はインフレーションと呼ばれる急激な膨張によって誕生しましたが、このとき駆動力となったのが真空のエネルギーでした。真空のエネルギーは私達の常識では想像が難しい変わった性質を持っていました。
インフレーションは「真空の一次相転移」という現象によって引き起こされたと言いますが、一次相転移の時の宇宙は完全に均一ではなくムラがありましたので、インフレーションでできた宇宙の上にインフレーションが乗っかるように、宇宙から宇宙が生えてしまいました。インフレーション宇宙論ではこのような連鎖反応で独立した宇宙が無限個誕生したとされています。
ところで、そんなふうに無限にある宇宙の中で、私達はなぜこの宇宙にいるのでしょうか。現在の宇宙を説明する理論の一つに超ひも理論があります。超ひも理論によると、無限に存在する宇宙にはあらゆる物理法則が無限に成り立つことがわかったのです。
さて、この宇宙は一見、人間が高度な知能を持つのにふさわしい状態になるように、あらゆる物理的法則がちょうど良く調整されているように見えます。けれど、科学的にはこのようなことは確率的に起きるはずはなく、このような考え方のことを「人間原理」といいます。かつて「人間原理」は明らかに不自然で非科学的なご都合主義の説でした。ところが、マルチバースの考え方の元では宇宙は無限にあるので、物理的法則も無限にあり、はその中の一つがたまたまこの人間が進化するこの宇宙だったと考えると、この宇宙が人間にちょうど良くできているのも可能性としてはあり得ると考えられるようになりつつあります。
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