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2009年5月2日
Chapter-236 レールガン実用化の歴史
(前回の放送|トップページ|次回の放送)
レールガンはSFの世界ではしばしば未来兵器として登場します。
兵器としてのレールガンは、レールのようにまっすぐに伸びた二本の電極があり、両方の電極に接するように電流を通す性質のある弾丸をはさみこんだ構造をしています。弾丸を発射する際には、ここに直流電流を流します。すると片方のレールから弾丸を通ってもう片方のレールへつながる電気回路ができます。するとレールに磁場が発生し、フレミングの左手の法則によって弾丸が加速し発射されます。
強力なレールガンで弾丸が加速されると磁力の挙動の変化によって、電流が弾丸の後端のごく表面を流れるようになりますので、電気抵抗によって熱が発生し、弾丸がそこから蒸発してプラズマとなり、発射時には周辺の空気も熱プラズマ化し、火薬を用いていないにもかかわらず激しい炎を吹き出します。
アメリカ海軍では2020〜2025年ごろにレールガンを搭載した艦艇を就役させることを目指しイギリスの民間企業と共同研究を進め、2008年1月にエネルギー出力試験が行われ、レールガンの本格的な発射実験に世界で初めて成功しました。この時は実験用の弾丸が秒速2520メートルの速度で打ち出され目標に命中したということです。この速度は火薬の爆発によって弾丸を撃ち出す従来法の限界速度を上回るものです。鑑定に搭載するレールガンはこの数倍の発射速度を達成させ射程距離300キロを目指すということです。
アニメに登場するレールガンは2本のレールがむき出しで延びた形をしていますが、現在開発中のレールガンの砲身は火薬発射型と同じ筒状をしています。大電流によって弾丸がプラズマ化した際、発生したプラズマが弾頭を追い越すと推進力が低下しますので、プラズマを弾丸の後に封じ込め、プラズマの膨張圧力も推進力として使用するためです。
搭載が予定されている駆逐艦はガスタービンエンジンで80MWの発電機を動かし、モーターでスクリューを回転させるタイプになる予定ですが、この電力を船の推進力とレールガンに割り振って使用する計画だということです。必要な電力は30MWと大量ですので、発射時にはスクリューを動かす電力を減らしてレールガンをチャージしなければならないため、最大速力で航行しながらの発射はできないものの、コンセプトが射程距離300キロを生かして、敵の射程距離外から攻撃を加えるアウトレンジ攻撃ですので、問題もなさそうだということです。現在の技術で実現可能な電力で、射程300キロ以上のレールガン一基を最短5秒〜10秒間隔で発射できそうです。
日本でもレールガンの研究は行われています。平和利用の観点ではJAXAが1980年代から研究に着手し、すでに秒速7800メートルという世界トップクラスの発射速度を持つ装置を開発しています。このレールガンは科学実験用でスペースデブリに対するスペースステーションなどの防御に関する衝突実験やサッカーボールの形をした有機化合物フラーレンの生成などの新材料実験や有機物の生成などの生命科学実験に使われています。
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