2008年5月24日
Chapter-201 宇宙の話題を盛り合わせ
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ハッブル宇宙望遠鏡18周年、衝突銀河の画像59枚を公開
提供:HubbleSite, NASA
NASAのハッブル宇宙望遠鏡は1990年に打ち上げられ、2008年4月24日で打ち上げ18周年を迎えました。これを記念して、銀河どうしの衝突をとらえた画像計59枚が公開されています。銀河どうしの衝突や接近では、互いの重力によって形状が変化したり、衝撃波によってスターバーストと呼ばれる激しい星形成が引き起こされたりすることがあり、その他の天体写真とは異なる独特の魅力を持っています。
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2008/16/
NASAでは Webサイトで公開されている天体写真のダウンロードや印刷を推奨しています。是非サイトにアクセスして、お気に入りの画像を
PCの壁紙に設定したり、印刷して飾ったりしてください。
また、「提供:NASA」と記載すれば、ブログなどで使用することも許されています。ただし、写真をプリントしたTシャツを販売したり、写真を集めて写真集として販売するなどの営利行為は許可が必要です。
オポチュニティー、ロボットアームのモーターが不調
NASAの無人火星探査車「オポチュニティー」では、2年ほど前からロボットアームを駆動させるモーターに不調が出ていましたが、最近その不調が頻発するようになっているということです。
「オポチュニティー」が火星に着陸したのは、2004年1月のことでしたので、すでに4年以上にわたって活動を続けていることになり、その影響が現れてきているようです。ただ、この不調が即座に探査中止に至るようなものではなく、NASAのジェット推進研究所は時間をかけて慎重にプロジェクトを進めるとしています。
フランス研究機関、新方式の天文望遠鏡を開発
フランスの中部ピレネー天文観測所の研究グループが回折現象を使ったまったく新しい原理の天体望遠鏡の開発を行っていることが明らかとなりました。天体観測に一般に用いられる反射望遠鏡などは精度を上げるにつれて巨大化し、すでにコストなどの面から限界に達しているとされています。
開発中の新天体望遠鏡は穴を開けた金属膜に光を通過させることによって、光の回折原理を使って集光を行おうというもので、30メートル大の金属膜を使えば、世界最高水準の天体望遠鏡ができる計算になります。
天の川銀河に隠されていた、140年前の超新星爆発
太陽系の含まれる天の川銀河に、たった140年前に起きた超新星爆発の残骸が発見されました。現在、天の川銀河のような銀河で超新星爆発が起きる割合は、1世紀に3個程度と考えられています。
電波望遠鏡が明かす、超巨大ブラックホールのなぞ
多くの銀河の中心には超巨大ブラックホールが存在し、光速に近い速度でジェットが噴出しています。物質がこれほどの高速にまで加速されるメカニズムは長い間なぞでしたが、現在もっとも有力な理論を支持する観測結果が電波望遠鏡によって得られました。
ブラックホールに引き寄せられた物質は、「降着円盤」と呼ばれる平たい回転円盤を形成します。物質は円盤の中を回転しながら徐々に内側へ移動するのですが、円盤を通る磁場がこれに引きずられ、元々降着円盤に対して垂直に通っていた磁力線は、最終的に中心のブラックホールから突き出るような方向にきつくねじられた束を形成します。このような磁力線の束にひとたび物質が入りこめば、中に閉じこめられたまま外側に向かって加速されるというのがメカニズムだと思われます。
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