2011年10月15日 【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】 この臨床試験では加齢黄斑変性の患者の皮膚細胞などに複数の遺伝子を入れてiPS細胞を作成し、できたiPS細胞を網膜色素上皮細胞に育てます。細胞はシート状に育つので、それを患者の傷ついた細胞と置き換えます。 iPS細胞の現状の問題点として、体細胞に分化できていない細胞を移植した場合そこからテラトーマと言われる腫瘍細胞になってしまう可能性がある点や拒絶反応の問題があります。今回臨床試験が行われる目は治療のために必要な細胞の量が少なくて済むため、量産化技術が確立されていない現時点でも臨床応用が可能で、治療対象の目はもともと腫瘍が出来にくい上、万が一細胞が腫瘍化してもレーザー治療を施しやすいというメリットがあります。治療効果としては0.1に満たない視力を0.1程度に回復させるのが当面の目標です。将来的には視力が0.2程度残っている患者に対して0.7程度まで回復させる治療を想定しています。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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