2011年10月29日 【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】 ミラクリンの不思議を解明するため、研究者らは試験管内で培養した細胞に人間の甘味を感じ取るセンサーの役目をするタンパク質(受容体)を作りだしpHを変化させたときの甘味強度の測定を行いました。まず、この細胞にミラクリンを加えた後に、酸性にしたところ、細胞が反応している、つまり細胞は甘いと感じていることが観察されました。酸性の度合いを強めpHがさらに下がると反応もさらに強くなりました。また繰り返しの酸性にすることによる繰り返しの細胞の反応も観察されました。この時使用したミラクリンの濃度は1リットル当たり約0.004 g以下という非常に低い濃度で、これまで知られている甘味物質の中で、最も低い濃度で作用する物質でした。 一方で、あらかじめミラクリンを添加した甘味受容体に、他の甘味物質を追加したところ、先に添加されていたミラクリンが、あとから添加された本当の甘み物質の働きを妨害することも分かりました。カロリーのないものを甘く感じ、さらに、そのあとに食べた甘いものを甘く感じないということは、生活習慣病に悩む現代人への福音ともなりうるので、味覚修飾タンパク質は、産業的にも非常に注目されています。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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